鬼デニムを実機レビュー|超分厚い生地・サイズ選び・冬の防風性

鬼デニムってどんなデニムなんだろ、すごく分厚い生地もあるみたいでけど、実際のレビューが知りたいな…

「鬼デニム」は分厚いだけじゃない!5年ヘビー使用の実体験をレビューします。

はじめに(ONI-902ZR-DGC)

本記事は鬼デニムの総合レビュー。対象は ONI-902ZR-DGC というモデルです。
DGCはDark Green Castの略で、緑味を含む独特の色調が特徴の生地で、まさに鬼デニムにしか作れないジーンズです。

  • 実機:ONI-902ZR-DGC(20oz/ハイライズ・リラックステーパード/W28)
  • 使用歴:約5年(主に秋冬中心)
  • この記事でわかること
    • 生地の質感と重量感
    • サイズ選びと「縮み/伸び」の運用
    • 冬の防風性(街・自転車・バイク)
    • 日常の使い勝手と取り回し

※ヒゲ/ハチノス/裾の“波うち”など色落ちの実写比較は別記事Aに集約しています。

色落ちの実写比較はこちら(A)

結論|902ZR DGCの落ち方(約5年履き込みの所感)

荒いスラブ感ゆえにヒゲ/ハチノスがくっきり出てメリハリ感があります
DGC特有の深い緑味が濃色部に残り、太ももは縦筋の色落ちが重なって立体感が生まれます。
裾は波うった陰影が効き、全体のコントラストが締まります。

部位別スナップで見る色落ち

鬼デニム 902ZR DGC 全体像 太もも 縦落ち
全体像/太もも(縦落ち)

ストリーク状の縦線が複層。全体は濃淡のコントラストがはっきり。

履き込み:約5年/洗濯:約7回

鬼デニム 902ZR DGC ヒゲ 近影
ヒゲ(前腰~股)

線が太く濃淡くっきり。股リベット周辺のアタリも強い。

履き込み:約5年/洗濯:約7回

鬼デニム 902ZR DGC ハチノス 近影
ハチノス(膝裏)

節の山が固定、谷は淡く。陰影の差で立体感が出る。

履き込み:約5年/洗濯:約7回

鬼デニム 902ZR DGC 裾ローピングとセルビッジ耳
裾ローピング+セルビッジ/耳

チェーンステッチの段差で濃淡差。耳の擦れによる色抜けもアクセント。

履き込み:約5年/洗濯:約7回

鬼デニム 902ZR DGC 革パッチとバックポケット ヒップの色落ち
革パッチ+バックポケット/ヒップ

パッチは艶と皺、刻印がくっきり。ヒップはポケット口や角のアタリがよく出ています。

履き込み:約5年/洗濯:約7回

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洗濯・乾燥のコツ(実運用|すべて私見)
単独洗い 裏返し ネットなし 常温水 中性洗剤 乾燥機OK

基本

  • 単独で洗う/裏返しネットなし/洗濯機の標準コース
  • 水温は水道水の常温でOK。
  • 洗剤は一般的な中性洗剤でOK。私は 桃太郎ジーンズのデニム用洗剤を使っています。
  • 乾燥は自宅洗濯機の乾燥機能で普通に乾燥

頻度の考え方

  • 最初の3回分位の洗濯は意識して我慢する10〜3月は履き続けるのを推奨。
  • 以降は生活に合わせて洗濯頻度を上げて、色落ちの進行を楽しむ。
  • 衛生とのバランス最優先。気になったら洗うでOK。

日々の運用メモ

  • 帰宅したら即脱いで裏返し、風を通して干す(フック/椅子掛けでもOK)。
  • 雨や食べ物の汚れが付いたら迷わず即洗濯
  • 歩く/サイクリング/バイク/公園で子どもと遊ぶ——毎日の動きが自分だけのエイジングになる。
ジーンズ用洗剤 桃太郎ジーンズ
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5年履き込みの感想

生地の完成度が抜群。多くのジーンズを履いてきましたが、鬼デニムが一番です。
パンツのシルエットは流行に合わせては変えたいですが、その点鬼デニムは展開が豊富。
仕上がりが美しく、デニムそのものに見惚れます。

季節適性と防風性(西日本・都市部の真冬テスト)

20ozの厚みと高密度織りで風抜けが非常に少ないのが特長。

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運用メモ(真冬の実使用)

筆者は真冬のバイク移動真冬のサイクリングでも、基本はこのジーンズ単体で運用しています。
綿デニムなのでレザーパンツより蒸れにくく気軽、しかも育てる楽しさがあるのが魅力。

結論: 西日本の都市部の冬なら、基本は単体でOK。
ただし豪雪地帯・氷点下の夜間・長時間の高速走行など極端に寒い条件では、必要に応じてオーバーパンツ等を追加。
  • 街歩き(冬日/微風): 風の抜け感ほぼ無し。十分暖かい。
  • 自転車(真冬/向かい風): 前腿の冷えも許容範囲。長時間でも実用十分。
  • バイク移動(冬/一般道): 走行風でも保ちやすい。防風感が強く安心。
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防風性についての所感

レザーより気軽に履けて、しかも風をしっかり止めてくれるのが20oz鬼デニムの良さ。
バイクも自転車も、まずは単体でOKというのが私の結論です。

重量・厚み(20ozの体感と取り回し)

厚み帯目安オンス体感
一般的12–14oz軽快。通年向け。
やや重い16–18ozしっかり感。冬寄り。
ヘビー20oz前後明確に厚い/硬い。防風性も体感で高い。

実測重量(W28/裾上げ後): 1,6 g

メリットと注意点

メリット
  • 素材自体の密度が高く防風性を実感しやすい
  • 経年のコントラスト(ヒゲ/ハチノス/縦筋)が出やすい
注意点
  • 慣らし期間は必要(最初は可動域が狭く感じる)
  • 無理なサイズダウンは避ける(フィットは設計に従って調整)
補足|オンスは「重さ」の単位(ざっくり目安)
デニムの20ozは「1平方ヤードあたり約20オンスの重さ」という意味。 目安では 1oz/yd² ≒ 34g/m² 程度なので、20ozはおよそ約680g/m²相当のヘビー生地です(概算)。

サイズ選びと縮み/伸びの考え方

きれいな色落ち(ヒゲ・ハチノス・裾の波うち)を狙うなら、 「ジャスト〜やや小さめ」から始めて 履いて伸ばす → 乾燥機で戻すのループ運用が理想。
ただし見た目はシルエット選びが決定打。トレンドに合う型を優先し、フィットで微調整するのがおすすめ。

はじめのフィット基準(目安)

前提:フィットはシルエット次第(テーパード/ストレート/ワイド 等)。

  • ウエスト ジャスト推奨。一番上のボタンが無理なくきちんと止まるサイズ。
  • ヒップ・太もも そのモデルの設計に合わせて自然に。無理に詰めたり広げたりせず、動きやすさを優先。
  • 靴・裾の仕様・今の気分で自由に調整。ロールアップもワンクッションも“好きに楽しんでOK”。
  • ワイド系の例外 雰囲気優先ならワンサイズ上げてベルトで絞る運用も◎。
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私見:色落ち重視は“攻めすぎない小さめ”

まずはジャスト〜半サイズ小さめから。履き込みで伸ばし、家庭の乾燥機でキュッと戻す——この往復で骨格にハマります。

慣らしの体感(時系列)

  • 新品〜1か月
    生地の反発が強く、膝抜けしにくい。可動域はタイト。強い当たりで内出血の可能性も(無理は禁物)。
  • 1シーズン
    腰・太ももが体に沿って柔らかく。重量感は残しつつ着脱はスムーズに。表情(アタリ)も出始める。
  • 2〜3年
    体型に合わせて“馴染む”。分厚さに対する履き心地は大幅向上し、自分だけの一本に育つ。

※20ozでサイズダウンはかなりの覚悟が必要(笑)。痛みや痺れを感じたら着用時間を調整。

運用フロー:伸ばす → 縮める(ループ)

  1. 履いて伸ばす:日常使用で体に馴染むまで。汗をかかない範囲で動いて“クセづけ”。
  2. 洗濯:単独/裏返し/標準コース。洗剤は中性でOK(詳しくは本記事の「洗濯・乾燥のコツ」参照)。
  3. 乾燥で戻す:家庭の乾燥機で縮めて形を整える。より“バキッ”と出したい人はコインランドリーの業務用乾燥機も選択肢。
  4. 再着用:伸ばす⇄戻すの繰り返しで、フィットと表情を育成。

シルエット選びの指針

色落ち向きリラックステーパード/スリム

下に向かって絞れるためヒゲ・ハチノスの“筋”が通りやすい。見た目は細めでも可動域は確保しやすいが、ヘビーオンスでは着脱や可動域がややシビア

王道ストレート等

いわゆる王道のデニムスタイル。ワーク感ある太さで、丈や靴でバランス調整。面で当たる分、色落ちはゆっくり深く

雰囲気重視ワイド

シルエット映えは抜群。ただ強いヒゲ/ハチノスは出にくいので“バキバキ育成”は難度高め。雰囲気重視ならワンサイズ上げてベルトで絞るのも◎。

裾上げのタイミング

  • まず一度洗って→乾燥。縮みを出してから裾上げすると丈ミスが少ない。
  • 裾に“波うちの立体感”を出したいならチェーンステッチ仕上げ(洗うほど段差が出て濃淡がつきやすい)。
  • すっきり見せたいならシングルステッチでもOK(波うちは控えめ)。

※体型・個体差・乾燥条件で変化は異なります。痛み・しびれ・可動域の制限を感じる“攻めサイズ”は無理せず調整を。

鬼デニムの色落ち(ダイジェスト)

徹底比較は色落ち特化の別記事に集約。ここでは約5年使用個体のスナップで、要点だけを手早く確認します。

鬼デニム 902ZR DGC 太もも 縦落ち 全体像
全体像/太ももの縦落ち
鬼デニム 902ZR DGC 裾ローピングと耳
裾ローピング+耳

色落ちの実写比較をもっと見る

よくあるQ&A

Qヒゲ・ハチノスを綺麗に出すコツは?

A基本は「よく動かす・長く履く」。私のやり方は下記です。

  • 動きでクセ付け:日常の中で座る⇄立つ、軽い運動を汗をかかない範囲で繰り返す。
  • シーズン運用:気温が下がってきたら秋〜春にかけて着込み開始。長時間着用で育てる。
  • 乾燥機も使う:家庭の乾燥機で普通に乾燥。
    より“バキバキ”に出したい人は、コインランドリーの業務用乾燥機も選択肢。

Q色移りは?

A初期は移染リスクがあります。洗濯時は次の点に注意。

  • 単体で洗う、もしくはジーンズだけで回す。

結論|鬼デニムは誰に向く?

重厚な生地 × 現代的シルエットで、冬場の主力になれる一本。

GOOD FIT 向く人
  • 高い防風性が欲しい
  • 冬もデニムで過ごしたい
  • ザラ感や縦筋の色落ちを育てたい
NOT FOR 向かない人
  • 軽快さ最優先で履きたい
  • 真夏も一本で通年運用したい

買う前のチェックリスト

  • 季節用途:主に秋〜冬中心でOK?
    真夏の通年一本運用には不向き。冬は防風性が強み。
  • サイズ:洗濯後の縮みを見越して選んだ?
    基本はジャスト〜半サイズ小さめ→「履いて伸ばす→乾燥で戻す」が前提。
  • 裾上げ:一度洗って→乾燥してから検討できる?
    丈ミス防止。裾に立体感を出したいならチェーンステッチ推奨。

条件が合えば、主要ショップの在庫・価格をまとめて確認

ONI DENIM 鬼デニム 20oz ジーンズ
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更新ログ
2025-08-30:タイムライン→部位別スナップ構成に変更。
▼ 2020年版の本文を開く(アーカイブ)

鬼デニムのデザインは

画像は私が所有している鬼デニムです。

●ブルーデニム
 品番:ONI-902ZR-DGC
 生地の厚さ:20oz
 シルエット:ハイライズリラックステーパード
 サイズ:28

●ブラックデニム
 品番:ONI-622ZR-BK
 生地の厚さ:20oz
 シルエット:リラックステーパード
 サイズ:28

どちらも2シーズン位使用した状態です。

シルエットの説明をすると、

●ハイライズリラックステーパード
 股上が深く、腰回りが若干余裕があるが、裾にかけてテーパードしている。

●リラックステーパード
 腰回りが若干余裕があるが、裾にかけてテーパードしている。

となります。

近年のパンツはテーパードシルエットばかりです。
これはアウターが大き目の作りが流行していることから、パンツもある程度の太さにすることでバランスをとることが必要となったからですね。


裾=足首部分は体の先端かつ細い部分なので、全体の印象を決める重要な部分です。

裾部分を細くすることで、全体の印象が細く見え、野暮ったくなくなるというわけですね。

いわゆるレプリカデニムメーカーは、昔ながらのシルエット(levi’s501のようなストレートシルエットや太目のストレート)でデニムをリリースしがちですが、鬼デニムの形は、完全にリラックステーパードが主体です。

鬼デニムのパターンは、トレンドをきちんと追っていると思います。

鬼デニムは、トレンドに合わせやすい形をリリースしており、好印象です。

一方、20オンスでスキニーシルエットなんていう、マニア受けを狙った商品もリリースされていたりします。

鬼デニムの生地感は

生地の厚さが20ozあり、かなり分厚いです。

oz(オンス)というのは1平方ヤードあたりの生地の重さの単位で、デニム生地ではこの単位を使用しています(米国製品なので、アメリカの単位が使われる)。ozが大きいほど重く、生地が厚くなります。

ちなみに、1オンスは約28.35gです。


一般的なジーンズの厚さは14oz位ですので、20ozはかなり分厚いことがわかると思います。
15オンスを超えたあたりから、「ヘビーオンス」のジーンズと呼ばれます。

「鬼デニム」は生地にもかなりこだわりがあるようで、なんとも言えない表情に経年変化していきます。

2シーズン位着用し、洗濯、乾燥機にかけるとかなり表情がでてきます。

鬼デニムの防風性は

写真では伝わりにくいですが、かなり分厚い生地で、デニム素材ながら防風性があります


地域によると思いますが、冬にバイクで着用しても、さほど寒さを感じません。

本当に綿なのかと思う程、風を通しません。

鬼デニムの色落ちは

私の鬼デニムの色落ちを見てみます。

まずはブルーデニムです。

結構適当に選択しているので、バキバキな色落ちではありません。

ヒゲ(足の付け根あたりのシワ)がうっすら出ています。

乾燥機に何回かかけているので、パッカリング(裾部分のうねり)が出ています。

座ることが多いので、バックポケット部分は結構色落ちしています。

うっすらとハチノス(膝裏のシワ)がでています。

次にブラックデニムです。

毛羽立ってます。

特に擦れる部分は、白く色落ちしていますね。

表情がでています。

やはりバックポケット部分が色落ちしています。

右後ろポケットにスマートフォンを入れていることが多いので、ステッチがほどけている部分があります。

うすっらヒゲですが、あまりわかりませんね。

赤耳です。

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外国の方の投稿ですが、左が鬼デニムです。すさまじい色落ちですね。

かなりの時間を履き込まないとこうならないと思います。

鬼デニムの評判は

以前の鬼デニムは1人の70代の老職人の方しか生地を織る機械を扱えない状況だったと聞きます。
当然、その方が体調不良になれば、生地の生産ができず、商品生産が不可能になっていました。ショップをチェックしても、かなりの不定期入荷でした。

なんだか人間国宝みたいな話ですが、そういうマニアックな生産背景等があることも、鬼デニムの魅力に一役買っていると思います。

現在は若手職人の育成が進んでいるようで、定期的に入荷するようになっています。

最近は楽天等のECサイトでも通販可能になり、私も利用しています。

また、インスタグラムを見てみると、明らかに外国人の方の投稿が多いように感じます。ヘビーオンスマニアは外国人に多いようですね。

しかし、雑誌等の掲載を見たことがなく、宣伝を一切していないようです。
かなりのデニムマニアでないと「鬼デニム」の存在自体を知らないと思います。

鬼デニムのデメリットは

実際に着用して感じる、「鬼デニム」の良くない点は下記の2点です。

●履き始めは、かなりきつい。
 生地が厚いということは、馴染むまで時間がかかるということでです。
 レザージャケットなんかを着込む感覚に似ていますね。
 しかし、馴染むと自分だけのデニムになり、愛着がわくことは間違いありません。

・夏に履けない
 一部の超マニアの方は別かもですが、私は夏に20オンスデニムを履く気持ちにはなれません。
 日本の夏は高温多湿なので、デニムの履き込みには向かないかも知れませんね。

私は冬用ジーンズと割り切って着用しています。


鬼デニムは、冬のスタイルに表情を与える

いかがでしたでしょうか。

ヘビーオンスジーンズを制作しているデニムメーカーはいくつかありますが、ここまできれいなシルエットかつ魅力的な生地感を出しているものは、鬼デニムだけだと思います。

私は冬の間、ほぼ鬼デニムしか履きません。

また、ヘビーオンスジーンズは、無理な履き込みをしなければ耐久性がほぼ無限なことも魅力ですね。

ちなみに、私は新たに鬼デニムを購入したので、これから履き込む予定です。

再来年の冬当たりに良い色落ちになっていればいいなと思いつつ、のんびり履き込んでいきます。

まとめると、「鬼デニム」は下記の方におすすめのデニムです。

・ヘビーオンスジーンズが欲しい方

・冬でもジーンズを履きたい方

・バイク用の防風デニムが欲しい方

・ヘビーオンスかつ流行のシルエットのデニムが欲しい方

「鬼デニム」は入荷数が少ない商品ばかりです。一期一会的なところがあるので、気になるデニムのマイサイズがある場合は、早めに購入する方が良いかもしれません。

ONI DENIM 鬼デニム 20oz ジーンズ
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